「ねじのかかり代はどれくらい必要?」
「ボルトの首下長さの計算方法は?」
ボルトを使用する状況によっても、考え方は変わってくるので一概にコレ!ってことはないですが、参考値としてボルトねじ込み代や首した長さの計算方法について紹介します。
経験的に得られた算出方法になるので、参考程度にご利用ください。
振動が発生する場所などにはゆるみに対する考え方、軸力が不足しそうならディスタンス噛ませるなど各企業様それぞれのノウハウがあると思います。
※本記事を参考にして強度計算する場合は自己責任にてお願いします。本記事によってトラブルが生じた場合にも一切責任は負いかねます。
ネジのかかり代はどれくらい必要?
最低でもナット高さ分は確保する
ナット高さは最低でも確保します。
M8なら6.5㎜、M10なら8㎜、M12なら10㎜、M16なら13㎜といった具合です。
(個人的に2種で見てます。)
ボルトとナットがこの寸法の関係で締結されているので、機能的には問題がないことが想像できると思います。
調べているとネジ3山分で70~80の応力を受けているそうで、不完全ネジ部を考慮してナット高さが決まっているとの説がありました。
時間があるときに応力解析でもして真偽を確かめたいと思っています。
余裕があるならナット高さの1.2倍くらいほしい
上記の例はあくまでも最低限の話なので、通常はナット高さの1.2倍くらいのかかり代は確保した方が無難です。
不完全ネジ部を考慮すると、ナット高さの1.2倍くらいあると安心です。
ボルト首下長さの計算方法
ボルト首下長さの算出方法
板厚+ナット高さ+3ピッチ+平座金厚さで算出します。
ナットから飛び出しているのが3ピッチ程あればよいという計算式になっています。
ボルトの首した長さは一般的な長さ範囲で5㎜毎の規格で販売されている業者さんが多いと思います。
この5㎜の兼ね合いで少し長めに飛び出してしまうこともあるのでその場合は調整ください。
ボルトから飛び出した長さの分は何の力もかからない部分になるので、無駄に長いともったいないので、適正な長さを選ぶようにします。
ボルト首下長さの計算例
板厚32㎜、M16ネジ、平座金1.5㎜一枚の条件での首下長さを計算してみます。
M16のピッチは2㎜なので、
32㎜+13㎜+1.5㎜+2㎜×3 = 52.5㎜
従って52.5㎜の首下長さが必要ということになります。
一般的に5㎜単位での長さでの販売になるため、実際には首下長さ55㎜を選定することになると思います。
まとめ
取り付け側の施工間違いなどでネジ深さが当初の計画とおり確保できない状況など、モノづくりの現場ではいろいろあります。
製品を計画する段階でネジ深さを指示する場面もあるかと思います。
各企業さんのノウハウや経験によっても考え方は異なるとは思いますが、私がボルト長さを選定するときに基準にしている考え方を紹介させていただきました。
参考にしていただけると幸いです。
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