【材料力学】ボルト締付トルクと軸力の計算例

 

ボルト締結箇所について、締め付けトルクと軸力について計算する機会があったのでメモとして残します。

今回求めたのは、ボルトをあるトルクで締め付けた際の座面の強度は足りているか、です。

具体的には下記の条件での計算を行っています。

 

与えられている条件

トルク T           206 [N・m]
トルク係数 k       0.2
ボルト呼び径       M16
締結部の材質       SS400

※本記事を参考にして計算する場合は自己責任にてお願いします。本記事によってトラブルが生じた場合にも一切責任は負いかねます。

 





 

 

トルクから軸力を求める

トルクと軸力の関係式は下記で表せます。

 

 

 

今回は軸力を求めるので、

 

 

軸力は64357 [N]と求められました。

 




 

 

応力の計算

 

続いて、座面にかかる応力を評価します。

 

ボルトを強く締め付けすぎると、座面に過大な応力がかかり陥没や損傷を招き兼ねません。

一般的にボルト部材は強い材質が選ばれる(強度区分からボルトの強度を参照)ので、本ケースでは座面の材質の評価を目的としています。

(ボルトにも大きな応力がかかるので選定計算は必要ですよ!)

 

さて、上で求めた軸力から座面にかかる応力を計算します。

 

本題では、座面の面積をA=280 [mm2]と仮定します。

 

 

 

応力値は229.8 [MPa]という解が出ました。

 

座面の材質がSS400なので、限界面圧を260 [MPa] とすると限界面圧内におさまっていることが確認できました。

限界面圧については、インターネット上で拾った数値なので参考にしないでください。信頼できるデータを基に評価してください。

 

 

尚、ボルトを締めた際の座面の応力分布は、座面に対して均等に広がるわけではないこともイメージしておいてください。

(FEM解析を実施するとイメージがつかみやすいかと思います。)

手計算から導かれた応力は、座面内で最も応力が大きい位置の数値を表しているイメージと理解しています。理屈はよくわかっていませんが。。

 

 

 

まとめ

 

手計算によるボルト座面の応力値を求めました。

公式から導く計算はできますが、後半の応力の評価については曖昧な表現が多くなり申し訳ないです。

解析や文献なども参考にしながら紐解いてみましたがなかなか実現象に合わせた説明まではできませんでした。

参考程度に見ていただけると幸いです。

 

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コメント

  1. サステナブル より:

     最近は極圧添加剤入りの特殊鋼がはやっていますが、その発想とは逆の化学反応を制御したCCSCモデル締結法なんてものができれば面白いと思いますね。

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