圧力を調整する機能を持つ減圧弁。
どんな仕組みで圧力を調整しているのか気になったことはありませんか?
本記事では基本的な事例についてオリフィスの計算方法を紹介しています。
今回は、バネが自然長より10mm縮んだ時、どれくらいの差圧で開弁するか、を求めてみます。
バネ定数 40 N/mm
ピストン径 50 mm
※本記事を参考にして計算する場合は自己責任にてお願いします。本記事によってトラブルが生じた場合にも一切責任は負いかねます。
開弁圧の計算方法
フックの法則から荷重を算出
今回計算例としてあげている減圧弁はバネの力で開弁量を調整するタイプです。
バネの計算にはお馴染みのフックの法則を使用します。
今回は設問にてバネ定数がk=40 N/mm、変位量が10mmと与えられているので以下のように荷重を求めることができます。
バネを10mm押した状態では、400 N の力がかかっているということになります。
圧力とバネの力のつり合い
さて、設問では「10mm縮んだ状態」と表現していますが、これは「バネが10mm縮んだ状態でつり合いがとれている状態」と理解してください。
つまり、上図のように圧力がかかって開弁している状態を表します。
それではどれくらいの圧力で開弁しているか確認してみます。
計算結果から、0.4MPaでバネとの力がつり合っていることがわかりました。
つまり、2次圧力が0MPaであれば、この弁は0.4MPaの圧力で開弁することになります。
まとめ
今回は、圧力調整弁の開弁圧について計算例を紹介しました。
仕組みとしては、バネで押された力と1次圧力にのつり合いによって開弁圧がきまることになります。
圧力調整弁の調整ネジを弛めることは、バネの縮み量を減らしてバネの荷重を減らすことで圧力を多く流す(=2次圧力を上げる、または1次圧力と2次圧力の差圧を減らす)ことになる理屈がわかったかと思います。
以上、圧力調整弁の開弁圧について参考にしていただけると幸いです。
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