「このボルトで荷重受けきれてるのかな?」
「この荷重をかけるときに必要なボルト径はいくつくらい?」
ボルトの選定においては受ける荷重に耐えることが最低限の条件になるわけですが、あまりに安全側で考えすぎて径が無駄に大きいものを選んでしまうと、コストがかかるばかりか作業者もたいへんになります。
(ボルトの重量が増える、必要なトルクも増える、作業スペースも余分に必要になる、など)
今回はボルトの最小径部の計算を行ってみましたので、参考程度にご利用ください。
初期条件として与えられているのは、ボルトの引張強さ、安全率、ボルト一本あたりにかかる荷重とします。
ボルトの引張強さ 400 [MPa] [N/mm2]
安全率 5
ボルト一本あたりにかかる荷重 30000 [N]
※本記事を参考にして強度計算する場合は自己責任にてお願いします。本記事によってトラブルが生じた場合にも一切責任は負いかねます。
ボルト最小径部の計算方法
直径dの求め方
応力の計算式は以下の通りです。
今回求めたいのは直径dなので、初期条件を加えながら諸々計算していくと、
21.85mmという解が得られます。
つまり、最小径部の直径を決めるとするならば22mmとなります。
22mm径のボルトでおよそ3tの引張荷重に耐えるようなイメージです。
ボルトのサイズには規格がある
JIS B 1180を参照すると、ボルトの規格表に載っているのは、
M3,M4,M5,M6,M8,M10,M12,M14,M16,M18,M20,M22,M24,M27,M30,M33,M36,M39,M42…
です。
上記の中でも一般的に流通しているものとそうでないものが混じっているかと思います。
取り扱い量によってもボルトの単価も異なってくるので、まずはメーカーに問い合わせてボルトの種類があるのかを確認することをおすすめします。
まとめ
ボルトの最小径を決定する計算は案外簡単にできました。
実際の設計時にはボルト一本にどれだけの力がかかるのかを計算する必要があるので、簡単に結果が出ると言えば少し違うかもしれませんが。
ボルトには強度区分というものがあり、今回は400MPaと簡単な数値で計算していますが、使用する状況に応じて強度区分の強いボルトを使用するようにしてください。
以上、ボルト径の計算例でした。
参考にしていただけると幸いです。
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