配管の設計を行う上で必要な事柄について紹介します。
配管設計は単純に見えて案外と奥が深いセクションです。
デザインするにあたりざっと必要な知識として、
・流体力学の知識
・振動の知識
が挙げられます。
もちろん配管アレンジにはセンスも求められます。
ある地点からある地点まで単純に繋ぐだけでも、曲げ配管が多ければ製作コストがかさみますし、経路を無駄に長くしてもコストがかかります。
このほか、通行性やメンテナンス性などいろんなことを考えなければなりません。
そんな配管設計の心得を紹介したいと思います。
1. 配管アレンジの基礎
まずは設計を行うにあたり気をつけなければならないことを紹介します。
1.1 配管の曲げRとつかみ代
配管径により曲げRは異なります。
事前にベンダーの曲げRを確認しましょう。
曲げRを確認しておかないと余計な干渉トラブルを引き起こすことになります。
また、配管径によって掴み代を把握しておきましょう。これはベンダーマシンで配管を曲がる際に掴む直管部の長さを指します。
掴み代を考えて配管しないと製作メーカーからの電話が鳴り止まなくなります。
1.2 製作しやすい配管
ぐねぐねと曲がった配管に製作メーカーはたいへん苦労します。
基本的には図面を書きづらい配管は製作しづらいと心得てください。
また三次元方向で曲げ終わった配管は、仕上がりの精度がでにくく、組付け時に配管同士が合わないこともあるので注意が必要です。
平面的に図面を作成しやすい配管を作りましょう。
図面にしやすいイコール製作しやすいです。
1.3 メンテナンススペースと通行スペースの確保
配管アレンジをするうえでよく問題になるのは他の部品との干渉や関係です。
・ドアの開閉に邪魔にならないか
・油圧ジャッキやボルトなど締結の邪魔になるような位置に配管していないか
・部品の取り外しの邪魔にならないか
・配管の組付けは容易にできるか
・クリアハイトは十分に確保できているか
2. 配管設計でやってはいけないこと
2.1 ポケット
配管の出口高さより低い位置に配管してはいけません。
基本的には出口位置が一番低い位置になります。これは、ポケット部分に流体が溜まってしまいメンテナンス時に流体が抜けきれないことが問題となります。
やむを得ずポケットができる場合は、ドレンコックを設置します。
2.2 バルブやオリフィス後の直管長さ
バルブやオリフィスの後にはある程度の直管長さが必要です。
例えば、オリフィス直後に曲げがある場合、オリフィスで絞られて流速が早くなっている流体が配管にぶつかることで次第に侵食します。
結果として配管に穴が開くなどの事象が生じます。
また渦の発生による損失など気を付けなければなりません。
最近はCFDの発展により流体の流れを可視的に確認することもできます。
世にある文献には5Dほどの直管をみていれば大丈夫と書いていることがあるようです。
※条件によるので注意してください
流体力学の知識
圧力損失やヘッドにより要求されている流量を下回らないようにします。
また、配管内流速が速くなりすぎないように注意が必要です。
※詳細は時間があるときに更新します
また、CFDを行う際には乱流モデルの選定や、適切なメッシュサイズについての知識が必要となります。
これは使用するソフトによってもクセがあるので、論文の結果などと比較しながら解析結果をすり合わせる必要があります。
※こちらも詳細は需要があれば更新します。
振動についての知識
配管に限らずですが、振動はトラブルの元です。
振動により破損が生じると流体がもれるなど事故につながりかねません。
共振を避けた設計をする必要があります。
※実際には現場で揺れた箇所に配管管支えを後から追加するなどの処置をすることが多いようです。
まずは全体的にざっくりと書いてみました。
需要があれば詳細内容を追加し、実用的な内容に育てていきたいと思います。
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